「老後2,000万円問題」を受けて、私たちが取るべき行動

取り組み

最近話題になっている金融庁の報告書「金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書」を読んでみました。

きっかけは、この話題について語られる際に「2,000万円」という言葉が先行して、内容が置き去りになっているように感じたからです。

実際に読んでみると、現在の状況が整理された納得できる内容でした。

報告書の内容は理解できたので、報告書の内容を受けてこれから私たちは何をすべきか考えてみました。

どうして2,000万円か

この「老後に2,000万円が必要」という数字は、以下の支出を想定して組み立てられています。

65歳以上夫婦2人世帯の想定支出:26万円/月 ※数字は資料より抜粋

65歳以上夫婦2人世帯の想定支出

全体的にゆとりを持った家計のように見えます。65歳以上という年齢を考えると、子供夫婦が遊びに来た時に食事をご馳走したり、孫におもちゃを買い与えたりする余裕が含まれているように思います。

もう少しスリムな生活を心がければ、いくらか節約できそうです。

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対する想定収入は以下の通り。

65歳以上夫婦2人世帯の想定収入:21万円/月 ※数字は資料より抜粋

社会保険給付金が想定額に達する条件は以下になります。

例1)
夫月額平均給与30万円で加入期間38年 かつ 妻扶養状態の場合
国民年金の支給額:128,000円(64,000円×2人)
厚生年金の支給額: 72,000円(夫)
【 合 計 】 :200,000円

例2)
夫23〜55歳まで年収400万円で就労 かつ
妻23〜30歳まで年収300万円で就労の場合

国民年金の支給額:128,000円(64,000円×2人)
厚生年金の支給額: 52,000円(夫)
厚生年金の支給額: 11,000円(妻)
【 合 計 】 :191,000円

日本人の平均収入で定年まで働き通したい人がもらえる社会保険給付金が想定されています。65歳以上にも関わらず少額ながら労働収入や事業収入なども含まれており、若干恵まれた人が対象になっているかなという印象です。

一方で、共働き夫婦が定年まで仕事を続けた場合の社会保険給付金は以下になります。

例)
夫23〜60歳まで年収600万円で就労 かつ
妻23〜60歳まで年収400万円で就労の場合

国民年金の支給額:128,000円(64,000円×2人)
厚生年金の支給額: 109,000円(夫)
厚生年金の支給額: 72,000円(妻)
【 合 計 】 :309,000円

三井住友銀行 年金試算シュミレーションより

実際に必要な額はいくらなのか

夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職の世帯では毎月の不足額の平均は約5万円であり、まだ20~30年の人生があるとすれば、不足額の総額は単純計算で1,300万円~2,000万円になる。
金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 「高齢社会における資産形成・管理」P21ー

金融庁の見立てでは、毎月の不足額が5万円で定年後30年生きると2,000万円が不足するとしています。しかし、これはあくまで想定で、実際に自分が求める生活水準に必要な額とは異なります。つまり、老後に2,000万円の貯蓄が必要な人もいれば、300万円で足りる人もいるわけです。

考えるべきは、自分が求める生活水準がどの程度かです。

日本年金機構が出しているサービス ねんきんネットでは、将来受け取ることができる年金の見込額を知ることができます。

どのように不足分を補填するか

不足分を補填する方法としては、以下の2つがあります。

支出を減らす または 収入を増やす

支出を減らす
(金融庁の想定支出をベースに検討)
食事を自炊 かつ 安価な食材で済ませて2万円削減
免許返納者割引乗車証を利用し交通費1割削減(3,000円程度)
高齢者は基本自宅にいるので通信容量削減で6,000円削減
ゴルフから読書などに趣味を切替えて1万円削減
電力会社を選択することで電気代を2,000円削減
支出が抑えられたことにより消費税を4,000円削減…など

これで5万円弱削減できました。

収入を増やす

貯蓄を銀行に預けるだけでなく、運用することで増やすことが可能です。投資の意識を持ち、お金を寝かせず、経済活動に回すことにより、経済の成長とともに自己資産を増やすことができます。

以下のように、報告書にも投資による資産形成の必要性が書かれています。

生活資金やいざというときに備えた資金については元本の保証されている預貯金等により確保しつつ、将来に向けて少額からでも長期・積立・分散投資による資産形成を行う。
金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書 「高齢社会における資産形成・管理」P25ー

まとめ

報告書を読む前は年金問題の責任逃れとして国民に2,000万円を自己負担させる内容かと思っていましたが、実際は若者世代の減少・人生100年時代の到来・働き方の自由化を背景に、個人個人が退職後の自己資金について考え行動する必要がある時代がきている、という奥行きのあるものでした。

報告書には日本人の投資離れを誘引したであろう証券会社への取組み改善を促す内容や、国民に金融知識を身につけてもらうためのサービス拡充といった内容も含まれており、国民の立場に立って意見している箇所も見受けられました。

読む人によって様々な感じ方や受け取り方があると思いますが、報告書に書かれた内容から事実を抜粋し、冷静に受け止め、必要な行動を取ることが求められていると思います。

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